リース業界は、社会から必要とされる仕組みとして成長し、多くの企業や官公庁とのパートナーシップを育み、社会・経済との強いつながりを築いてきました。このつながりを基盤に、リース事業を通じて地域の発展、持続可能な社会、脱炭素等の環境への配慮に貢献し、より良い未来へつなげる取り組みを推進します。
1963年、日本のリースは最新の設備を導入する手段として誕生しました。その後もリース業界は企業や官公庁の設備導入支援を行い、経済成長を支えてきました。
現在に至るまでの間、社会では様々な課題が発生しています。リース業界では、その一つ一つに向き合い、課題解決の糸口をステークホルダーと共に探ってきました。また、社会で必要とされる設備の導入支援だけでなく、社会全体の環境に対する意識が大きく変わる中で、環境面への配慮においても、物件に関する情報や適正処理について業界内で共有し、会員リース会社に周知することで、業界をあげて環境負荷の削減に取り組んできました。
また、人口減少による人手不足や働き方改革の流れの中では、人に代わるロボットなどの設備投資支援の他、その設備周りのサービスも含めたアウトソーシング的サービスも積極的に提供することで顧客の事務負担の軽減や作業の合理化に貢献してきました。
さらに、2020年に国内で確認された新型コロナウイルス感染症の影響は、医療機関における負担の増大だけにとどまらず、各業界においても非接触・非対面など、今までになかった対応を迫られることになりました。こうした課題に対して、リース業界では、医療業界における医療機器・施設の増設や掃除ロボット等の導入支援の他にも、各業界に対して、受付・接客用ロボットやテイクアウト用ロッカー、移動販売車の導入支援などにより、初期投資額を心配することなく、社会状況に対応した設備を素早く導入し、事業を継続するための支援等を行ってきました。
リースは、顧客の課題に寄り添い、解決することを続けながら、様々なノウハウを得、取り扱うモノを増やし、結果として私たちの身近な生活環境においても広く利用されるようになり、今日では社会になくてはならない、社会から必要とされる「しくみ」として成長してきました。
課題は日本だけではなく、地球レベルの問題への対策も急がれています。地球温暖化、プラスチックの適正な利用と廃棄、エネルギー問題等、一朝一夕には解決しがたいことが沢山あります。
日本国内に目を向けると、人口減少や高齢化により自治体では社会福祉ニーズが高まる一方、財政状況やインフラ設備等の更新面で多くの課題があります。また、各企業レベルにおいても、不確実性が高く将来の予測が困難なVUCAの時代といわれる中、柔軟で機動的な経営を求められています。
サステナビリティへの対応が世界的に求められ、環境・社会・経済とそれぞれの分野において多くの課題がある中、環境配慮型の省エネ・再エネ設備の導入による脱炭素対応や、資源循環のための廃棄物削減への取組など、リース業界が貢献できることは沢山あります。
顧客や社会の課題に寄り添い解決していく過程において、リース会社は結果として様々な物件を取り扱い、多様な業界と出会い、多くのメーカーから設備を調達してきました。こうした事業活動において、リース会社はモノに関する目利き力を得、様々な業界の知識を得て、多彩な人脈と事業に関するノウハウを蓄積して今日に至っています。
リース業界の大きな特徴として、その関係するステークホルダーの多さが挙げられます。各界の顧客・メーカーだけでなく、その他にも金融機関や生命保険・損害保険会社、官公庁、機関投資家、格付会社、株主などと関わることで、多くのことを学び、善きパートナーとして共に成長してきました。
リース会社はモノを貸すことを基本として発展してきましたが、現在ではモノだけでなく、モノに関わるサービスも共に提供し、業務のアウトソーシング効果により顧客の業務負担軽減に貢献しています。
さらに、モノを貸すビジネス以外にも脱炭素課題やエネルギー不足に貢献すべく再生可能エネルギーによる発電事業や、地方創生事業、より資源循環に貢献すべく、自社や関係会社におけるリース終了物件の再販事業など、様々な事業に挑戦しています。
数多く存在する社会課題に対し、リースによる取組で解決への道を提案していくことは、他社との差別化を図ることや投資家への訴求効果など、顧客に高い付加価値を提供することにつながります。
環境を守り、そして誰もがいきいきと輝ける社会を実現し、活気のある経済を支えていく・・・その為に、多くのステークホルダーと関わるリース業界は、互いを「つなげ」、新たなソリューションの提供を目指し、
「つながる リースから つなげる リースへ」
持続可能な社会の実現に向けて積極的に貢献していきます。
リース会社の事業内容をSDGsの17の項目に当てはめてみると(注) 、全ての項目で該当する活動を支援している姿が浮かび上がります。このことは、リース業界の特徴をよく表しています。
サステナブルな社会を実現するためには、限られている地球の資源を有効に利用することが大切です。リース会社は、様々な設備を取り扱いますが、リース契約が終了した物件はリース会社に返却されます。そしてリース会社は、環境関連法等を遵守しながらモノの再利用・資源化を推進しています。つまり、リースは「貸す→回収→再利用と資源化」により資源循環を効率的に行えるしくみとなっています。
リースを利用すること、そのことがすでにサステナブル実現への第一歩ともいえます。
官公庁では持続可能な社会の実現に向けた取り組みが進められ、その中でリースが活用されています。リースによる設備導入であれば、各タイミングで必要であった入札の削減や、設備導入までの期間短縮による事務作業の低減などが図れる他、地域全体で公平に必要な設備を迅速に導入することができるメリットもあります。
こうした「利益の先取り」ができることにより、人的資源やコストカットできた財源を他の業務・事業に振り分けることができます。
企業活動は持続可能な環境・社会・経済の上に成り立ち、発展していきます。多くの企業において、サステナブルに貢献する取り組みが進められている中、リースも企業の取り組みを支えています。
資産は「所有」することにより、納税・保険付保などの事務手続きが生じます。リースを利用することにより、これらの手続きは物件の所有者であるリース会社が行います。また、契約終了時に物件はリース会社へ返却しますので、廃棄時の環境関連法違反のリスクを回避できる他、返却された物件はリース会社が3Rに則り適正処分しますので効率的な資源循環にも貢献できます。
このようにリースは事務のアウトソーシング効果で社員の負担を軽減できるしくみなのです。
多くのステークホルダーと関わるリース業界は、互いをより積極的につなげ、新たなソリューションの提供を目指し、
「つながるリースからつなげる リースへ」
持続可能な環境・社会・経済の実現に向けて積極的に貢献していきます。
リース業界では、公益社団法人リース事業協会が主体となる下記の社会貢献活動を行っています。
上記の活動を行うにあたり、寄贈するリース終了パソコンや特別支援学校の作業学習用に提供する物品は、会員会社から無償で提供いただいています。 また、その整備費用や発送費用は協会の会費から支出されています。このことは、協会に加盟する全てのリース会社がこの活動に参加し、支えていることを意味します。